陽の差す所に雪が残る事はない|keyframe card

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駒木が紡ぐ詩の如き言の葉は、事態がまだ終わりを迎えていないことを示していた

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みちるの本音、それは妹が助かった事、両親や姉妹達、そして想い人にもう会えない事の無念さ。部下や仲間の事よりもそれは強く…

もう一つの良い報せがある。帝国陸軍第133連隊所属、伊隅あきら少尉は生還。負傷無し。また一つ心配事が消え、胸を撫で下ろす

今この時こそが、伊隅大尉達が命と引き換えに選び取った最良の未来。日本を救ったとかどうとかそんなちっぽけなものではない

冷静に見えて激しく熱い心を秘めている。それを見せるのは弱さや隙ではない。人に頼るのも頼られるのもそう悪いことではない

「人を思いやり、和を重んじる貴様は立派だと思う。だが、注目されると委縮してしまう。少し我儘を言うくらいがちょうどいい」

10日足らずで純夏に人間らしさが戻った。武にしかできない、人類勝利のための大成果。人類の勝利はもう絵空事ではなくなった

武は心と言葉で伝える。お前が好きだ、ずっと傍にいると。愛の告白に純夏の心が喜びに満ちていく

「貴様の明るさは部隊の財産だ。ただマイペース過ぎる。時には人の話をじっくり聞くことも重要だぞ」

全てを隠密裏に済ませることはできなかった。夕呼はこの後捕まってしまうだろう。それでも武の決意は揺らがない。泣くのは最後だ

るくたんとの初対面。彼女は「るくたん」という本人が付けたあだ名で呼び方を指定してきた。

たくさんの買い物袋を抱えたちるにゃん。声をかけると、慌てふためいてしまった。どうやら秘密の買い物だったらしい。

3人のおはようの声を聴きながら、かつて当たり前だった日常の景色に落ち着かなさを覚える武