死にたくない|keyframe card

37/50

死を拒絶する本能が為さしめるのか、顔を覆った手の隙間から何も見えない闇を見回す。下半身も恐怖が漏れ出てしまっていた

Default

Front

Back

X

Y

にゃんたろう研究員

所有しているカード

それはおとぎ話のような不思議な話でした。でも私は信じます。タケルちゃんの冗談や嘘は全部わかるから。

武を因果導体にした原因を突き止め、それを排除したとき、真の意味で武は元の世界に帰還できる

「昨日、電話したんだよ…」純夏がそう声をかけてきて始まった昨日、武の誕生日のことも日記に書かれていた

タケルちゃんとキスをしちゃいました！今までで一番幸せでした。これだけは絶対に忘れません。やっと夢が叶ったんだから

心のウチで純夏に今生の別れを告げる武。その様子を見ていた夕呼は因果流出が起こった3人についての考察を述べ始めた

「離さないと、帰れないよ？」武にはまだ話したいことがある様子

純夏と想いを通じ合わせた翌朝。純夏にさえ覚えられていれば一人でも生きていける。最後に白陵を目に収めておきたかった

私は絶対にタケルちゃんを忘れるもんか！私がひとりぼっちになんかさせないんだから。ずーっと私はタケルちゃんと一緒だよ！

理由を話すにしても、「向こうの世界」のことを話しても純夏にはわからないだろう。断っても食い下がる純夏

やるべきは因果の流入阻止。そのために武を送り返す。24時間以上経っての帰還は不可能なはずだが、夕呼には何か策があるようだ

授業を受ける純夏は至って平然としている。武の視線にも気付かないほど無関心。本当に昨日のことを憶えていないのだろう

純夏だけは大丈夫だと思っていたのに…。希望的に過ぎる願いを信じた己の浅はかさを悔いる武