伊隅大尉の部屋|keyframe card

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消灯前、伊隅大尉の部屋に書類を届けに訪れた武

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話したかったのは明日、12月16日の予定だった

屋上でそのまま寝てしまっていた。皆で元気になろうと冥夜に言われていたのに、そうなるように動けないほど弱っているのだろうか

か弱き存在にまで危害を加えかねない武を止めたのは夕呼。帰りたければ最初から自分のところに来いと

いつか詳しく話を聞かせてほしい。いつかそういう日がくれば。楽し気に約束を取り付けてくるまりもの様子に少しまた心が軽くなる

準備していた武の誕生日祝いは事件で流れた。それでもちゃんと祝いたいと純夏も外出に誘うが、それを知るのは留守電だけだった

明日、一緒にどこかへ出かけないかと誘う冥夜。彼女もまた翌日12月16日を重視していた

武はまだ帰宅していない。伝えたいことがあったが直接話すことは難しそうだ

何も知らずに巻き込まれるだけの人はまだいい。自分の死を呼び込むかもしれない存在が身近にいることを知らずに済むのだから

闇に沈む部屋に響く音。今の武には来訪者が戸を叩く音すら恐ろしい

「数式」を渡し終えたのだから用件は済んでいるはず。今度は夕呼自身を連れて行くのかと冗談めかして尋ねる

なぜ抵抗しない？心が癒えるならばと我が身を差し出し、武が自らを殺めぬように尽くされる献身は、武の心に刃となって突き立った

夕呼の言葉に焦りを覚える武。「向こうの世界」で死んでいなければ大丈夫という話だったのではなかったのか？