些細なこと|keyframe card

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世界に変化が起きていないのは、未来の記憶を持っていてもそれは些細なことだと夕呼は考える

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武はまだ帰宅していない。伝えたいことがあったが直接話すことは難しそうだ

尋問を終えた武は、薬剤の影響によって己の足で立ち上がることもできず、衛生兵に自室へと運ばれていった

向こうの世界の人間の記憶と武自身の意志のみが武の実体化を繋ぎ止める。それらが揺らいだ時、武の存在は消滅するかもしれない

もう戻ることはできない。見捨てて逃げ出したことへの罰を受け続けて生きてゆかねばならない重圧が、武の方の肩にのしかかる

「向こうの世界」のことまでは話せなかった。まりもは言う。武が何があって、なぜ涙を流したのか、いつか聞かせてほしいと

真摯に向き合ってくれた神宮司先生に感謝を述べる。食事を終えて先生にお辞儀をする生徒。ごくありふれた光景だった

帰ってきて初めに意識したことを尋ねる夕呼。「この世界」に逃げてきた直接のトリガーはまりもだった。意志が因果に影響を…？

誰と会っていたかだって…？まりもちゃんとだよ…。まりもちゃんがまりもちゃんじゃなくなったんだ…

逃げ帰るだけの転送準備が進む。霞が観測を止めてから24時間経過したら、もう戻ってくることは出来ない

まりもの死はそんなにも軽いものだったのかと、失意の奥底に沈んだ武に告げられたのは「用済み」の一言だった

この先、何か気付いたことがあればすぐに報告に来るようにと指示する夕呼

歩く屍と見紛うばかりに心が砕け散った武は、元の世界へ帰るためのピースを求め、辿り着いたのは彼女がいるこの場所